2012/10/20

『たちまち、にんじんサラダ』

『たちまちーー。』
僕が鹿児島から広島へ移り住み始めて一番最初に覚えた方言がこの『たちまちーー。』と言うフレーズ。
広島で最初の勤め先、イタリア料理店でバール兼フロアサーヴィスのポジションを頂き、
お客様が来店、席に着くや「たちまちビール!」と僕に投げてきた。
新人でしかも少し天然である僕は、それがうまく捕球できずして「たちまちビール?」
そげな物は無かよ??と鹿児島弁で返球。(もちろん、心の中での事。)
すぐにお客様に、その御当地たちまちビール!とは?と質問したのですが、
「取り敢えず、ビールを一杯!」との回答にお互いに笑みが溢れる事にーー。
そうして、『たちまち』=『取り敢えず』のフレーズがインプットされた訳です。
 
前書きが長くなりましたが、
今回、僕にとって思いでの広島弁を使いまして『たちまち、にんじんサラダ。』と題してみました。
 
洋食こけももでは、夜の単品メニュー(前菜)を季節ごとに変えてみたり工夫をしていますが、
『にんじんサラダ』だけはオープン当初の春から今までずっとメニューに載せている一品です。
シェフ田中恒士から教わった一品でもあり、どこにでも売ってあるにんじんがここまで美味しくなるものか!と感動できる一品でもあります。
 
にんじんが苦手なお客様も「初めてこんなに食べれました!」とニッコリされるお声を頂いたり、
「お家で作ってみました!」と言うお客様もいらっしゃいました。
作り方は極々シンプルで好きな方には是非やって頂きたく思いますので、よろこんで教えます!
 
洋食こけももにて、『たちまち、にんじんサラダ』を食べながらーー。

2012/10/12

年末に向けてご挨拶。

【本店・広亭タナカ】

2012年度も広亭タナカをご利用下さいまして、ありがとうございます。
今年は4月16日に2号店『洋食こけもも』を開店いたしました。
おかげさまで多くのお客様にご来店頂き、
「本店・広亭タナカと同じ味ね。」とお声を頂き、感謝しております。
これからも大切な広島で洋食を作り続けて参ります。
                                  (シェフ 田中恒士)

【2号店・洋食こけもも】

おかげさまでオープンして半年が経ちました。
ご来店頂きました皆様、ありがとうございました。
皆様からの温かいお言葉やご声援が、本当に支えとなっております。
『洋食こけもも』では、夜の前菜やアルコール類を充実させる等、
新しい事にも取り組みつつ、シェフから受け継いだ「広亭21年の味」は
絶対に守っていく思いです。
どうぞこれからも『洋食こけもも』をよろしくお願いいたします。
                                  (前園隆太・文子)

【洋食こけもも・クリスマスディナーのご案内】
 
ークリスマスコースの内容ー
 
オードブル盛り合わせ
オニオングラタンスープ
オマール海老のアメリカンソース
サーロインステーキ
デザート・コーヒー 

*料金 お一人様 ¥6300
*期間 2012年 12月22日(土)~25日(火)
*時間 18:00~22:00(L.O.21:30)
(※この期間、コース以外のお食事もご用意しておりますが、平常のメニューよりも
品数が少なくなっております。ご了承下さいませ。)

10月に入りまして今年も本店・広亭タナカではお節料理の準備が始まっております。
有難い事にお客様からのお問い合わせを頂いておりますが、「11月1日(木)」からの
ご予約受付といたしております。
注文方法としましては、基本的に店内に置いてあるご注文用紙にご記入後、
お節料理引き換え番号をお渡しいたします。
遠方の方の為に電話でのご注文もお受けいたしますが、
お掛けの際は、本店・広亭タナカ(082-295-7188)の方まで
頂きますようよろしくお願いいたします。
 

(撮影:ミズモトアキラ・感謝!)

2012/10/03

昭和35年のレシピ。

 『昭和35年』すなわちシェフ田中恒士、当時15歳。軽井沢・こけもも山荘の時代です。
時々、メニューには載せていない料理を僕らに作っては、
「〇〇!昭和35年!!」と名付けて、食べさせてくれます。
代表的で親しみやすい一品が「ポテトサラダ昭和35年」
誰もが一度は見た事があるだろう!マヨネーズとほど良く混ざり合ったポテトサラダに
斜めにスライスしたきゅうりが3枚とトマトをくし型に切って1つ飾るーー。
どうやら、誰もが「見た事ある!」って言いたくなる料理が昭和35年にはたくさんある様です。
 
(※余談ですが、トマトを種をこぼさずして切る方法はヘタを根本から取り、トマトの表面を見て頂くと、いくつかの谷(線)があります。谷に沿って包丁を入れる事できれいにトマトのくし型切りができますよ。)
 
中でも、ひとつご紹介したい料理が『ミートスパゲティ・昭和35年』。
5種類のお野菜を細かく同じ大きさに切り分けて、じっくり炒めたお野菜の甘みとお肉の旨みが
ほど良いトマトの酸味と一緒になるのも醍醐味ですが、
湯がいたスパゲティをバタで炒めるーー。
これだけで、グン!と日本人が大好きな洋食になります。
スパゲティがもともと日本に入って来たのは明治の初めと記されていますが、
当時はコレをいかにして食すか試行錯誤が繰り返された様です。
湯がいたスパゲティを流水で洗うーー。
食感がお気に召さず一日置いて、うどんの様な食感にしてみると言った風にーー。
僕は、作り手側としてこの様な調理の仕方が間違っていた。とは言わず、当時の料理人が考えだした
立派なレシピ、保存方法ととらえています。
僕にとって、スパゲティを流水で洗い、サラダ油を馴染ませる事はシェフから教わった技ですが、
『ミートスパゲティ・昭和35年』をお客様までお届けするにあたって、大切なポイントなのです。
それでは、皆様!洋食こけももの『ミートスパゲティ・昭和35年』どうぞよろしくお願いします。